中古マンションの区分所有では修繕積立金に注意!

      2011/04/25

中古マンションの区分所有による不動産投資は、マンション一棟ではなくマンション内の1戸を購入するものですから、土地付きの一棟モノの不動産よりも確認しなければならない項目は比較にならないほど限定されます。しかし、それでも初めて不動産投資をする際にはチェックすべき項目や注意点は良く分からないと思います。(私もそうでした。)

そこでどんなことに注意すべきか、自分の経験を踏まえて書いていきたいと思います。

まずは「修繕積立金について」です。

物件を探しているとき、売買価格と表面利回りは一番最初の物件選定の入り口になりますが、区分所有には建物の管理費と修繕積立金の割り当て分という費用が発生します。この管理費と修繕積立金は月々必要となる費用ですから、毎月の収入となる家賃から差し引かなければ一体いくらが身入りの額となるのか分かりませんので、販売資料を取り寄せた段階で必ずチェックする必要があります。

そして、いろいろな物件の販売資料を見ていると、管理費や修繕積立金からマンション全体の特徴的なモノが見えてきたりするのです。

例えば、不動産投資用のワンルームばかりで構成されているマンションのうち、管理費は通常レベルであるにもかかわらず、修繕積立金が1,500円以下など、非常に安く設定されているシリーズのマンションがあります。(特に築浅のものに顕著)
これは我々不動産投資家が、物件の購入検討を行う際、必ず管理費や修繕費を家賃から差し引いた金額で利回りを再計算することを考慮して、修繕積立金を格安で設定しておくことで利回りを良く見せるためにとられる手法です。

こうした物件は、購入した後に何が起こるかというと、大規模修繕を迎えたときに修繕積立金ではまかないきれず、所有者に臨時徴収を求めてくることになります。臨時徴収額が数万円程度なら問題ありませんが、大抵の場合、1戸あたり数十万円以上となるようです。

さらに、臨時徴収を行うぐらいですから、次の修繕に向けての積立金は今まで以上に拠出しておかなければ、またお金が足りないという事態になります。当然ながら、修繕積立金の増額ということになるわけです。

臨時徴収に加えて、修繕積立金の大幅アップとなれば、そもそも購入時に想定していた収入計画が崩れてくるのは明白です。下手をすれば、マイナスのキャッシュフローとなる場合もあるでしょう。

もともと、築年数が経過していけば建物の老朽化は進むわけですから、修繕金は一定程度増えていくものです。建物全体の戸数が多ければ、1戸が負担すべき費用は小さくなりますが、修繕積立金が1,000円代というのはマトモな金額ではないと考えておいて間違いはないと思います。

物件を探していた当初、非常に引かれた物件があったのですが、修繕積立金が1,050円と小額であったため、ちょっと探りを入れてもらいました。すると、売主さんは、近々、実施される大規模修繕のために1戸あたり120万円の臨時費用を徴収されることになったため、物件を売却することにしたというのです。

当然ですが、この物件の購入は見合わせました。

私が所有している物件のうち比較的戸数が多いマンションの修繕積立金の例ですと、ワンルームばかりの築18年・74戸のマンションで2,400円(占有面積16.75平米)、ファミリー混在の築20年、62戸のマンションで5,800円(占有面積22.80平米)となっています。

物件の占有面積や築年数にもよりますが、修繕積立金が管理費に比して、妙に低く設定されているマンションについては、現在積みあがってる修繕積立金の金額や修繕履歴などをしっかりと確認した上で、購入検討することが必要です。

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